同伴者

映画が終わって、外に出た。 「腹、減ったな~」彼は大声で言う。 「おいしいパスタを食べさせてくれる店が近くにあるんだけど、行く?」私は頬笑みながら、彼に言った。 「パスタかあ・・・大盛はあるのかな?」 彼の言葉に、私は思わず吹き出した。 私たちは歩きはじめた。 今日は自然と彼の腕をとることが出来た。 五回目のデートにして、初めて・・・・。 それまでは彼のシャツの…

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助手席のひと

単身者の引っ越しの依頼を受け、ひとりで出かけた。 Y市の近郊まで、トラック一台分くらいの引越し荷物を積みに行き、わがK市まで運ぶ。 灰色の空は低く、暗鬱な国道を走る車はまばらで、目立つ渋滞はない。 3時間ほどで、目指すワンルームマンションに着いた。 数週間前、依頼の電話がかかってきたとき、年配の男性の声だったので、単身赴任のお父さんが、めでたく帰郷するのかなと思っていた。 …

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