幼さの罪

桜散る季節。 僕の大事なひとも散っていった。 そのひと・・僕の母は死の床にいた。 僕は意識のない母の横で、何時間も、ただぼうっと座っていた。 病室の外に見える満開の桜が、強い春の風に散らされて、吹雪いていくのを眺めながら。 肝臓に発生した癌細胞は、か細く小さい母のからだのあちこちに転移し、拷問のような苦痛を与えつづけていた。 「痛い。痛い。…

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事故の顛末②

救急車に運び入れられたとき、「どこか指定の病院がありますか?」と消防隊の人にきかれた。 自分は、以前に急性肺炎で入院したことのある「S記念病院」の名を告げた。 集まった近所の野次馬に見送られながら、出発。 その病院の救急救命室で処置され、病室に搬送された。 そこから、ながい入院生活が始まる。 立つこともままならないという生まれて初めての事態に直面した。 いちばん大変だったのは…

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事故の顛末①

加入している外資系の保険会社から、契約内容の確認が封書で届いた。 怪我でも病気でも、入院すれば日額5000円が給付される医療保険だ。 2009年に起こした事故で大けがをしたことが、この保険に入るきっかけとなった。 2009年7月21日、支持率低迷にあえぐ当時の麻生首相は、予告どおり衆議院を解散した。 お中元の配達をしていた自分は、運転の途中、その様子をラジオの国会中継できいていた…

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今は立ち入れない場所

昨日の続きのようになるかもしれない。 大きな災害が起きると、「あ、ここは行ったことがある」と思うことが多い。 今回の倉吉市もそうだったし、熊本の益城町なんて、何度も行ったことがある。 まだ記憶に新しい、一昨年8月の広島土砂災害などは、その数日前に、現場の広島市安佐北区まで荷物を運んでいる。 去年、水害のあった近くの茨城県筑西市にも、その数か月前に行った。 氾濫した川の近くにある…

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