事故の顛末①

加入している外資系の保険会社から、契約内容の確認が封書で届いた。 怪我でも病気でも、入院すれば日額5000円が給付される医療保険だ。 2009年に起こした事故で大けがをしたことが、この保険に入るきっかけとなった。 2009年7月21日、支持率低迷にあえぐ当時の麻生首相は、予告どおり衆議院を解散した。 お中元の配達をしていた自分は、運転の途中、その様子をラジオの国会中継できいていた…

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老年期にさしかかった日本社会

妻と買い物に出かけた。 地元の商店街。 歩く人がまばらなのは、ウイークデーのせいばかりではない。 シャッターを下ろした店が70%くらい。 昭和40年代に完成したというアーケードが立派なだけに、寒々とした風景が際立ってしまう。 目指していた靴屋さんが、いつの間にか閉店していた。 店主とは以前からの顔見知りで、子供たちの靴はここで買っていたが、シャッターに貼られた「閉店」の断り書…

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今は立ち入れない場所

昨日の続きのようになるかもしれない。 大きな災害が起きると、「あ、ここは行ったことがある」と思うことが多い。 今回の倉吉市もそうだったし、熊本の益城町なんて、何度も行ったことがある。 まだ記憶に新しい、一昨年8月の広島土砂災害などは、その数日前に、現場の広島市安佐北区まで荷物を運んでいる。 去年、水害のあった近くの茨城県筑西市にも、その数か月前に行った。 氾濫した川の近くにある…

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鳥取地震の報に接して

今年4月に起きた熊本地震の傷も癒えないうちに、今度は鳥取で大きな地震。 今のところ死者が出ていないのが何よりだが、まだまだ予断は許されない段階だ。 熊本地震では、本震と思われた最初の揺れより、さらに大きな揺れが襲い、犠牲者を多く出した。 どうか、これ以上の被害が出ないことを、願ってやまない。 震源地に近い倉吉市には、一度、滞在したことがある。 3年ほど前、金沢市の工場まで部品を運ん…

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次はおまえの番だ

25歳のときに、現在住んでいるこの建売住宅を買った。 以来、35年の月日が流れたんだと思うと、しばし、茫然となってしまう。 ここで、3人の子を育てた。 その子たちを中心に、さまざまな出来事があった。 想い出は累積され、経年ゆえの劣化と反比例するように、この家の奥深くに沈殿している。 十数世帯のこの住宅団地。 子供たちは巣立っていったが、近所の方々とは変わらず、つかず離れずのお…

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「まぼろしの邪馬台国」異聞

借りていたDVDの映画「まぼろしの邪馬台国」を観ていたら、竹中直人扮する宮崎康平が、逃げた初妻の残した乳飲み子に子守唄を歌って聴かせる場面があった。 その歌は「島原の子守唄」。 後に妻となる和子(吉永小百合)が、「いい唄ですね。島原に昔から伝わる唄ですか?」と訊くと、「俺が作った歌たい」と康平が答える。 この言葉に、少々、驚いた。 実に浅学非才である自分は、それまで「島原の子守唄」が…

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ノッポさんが教えてくれたこと

NHKの教育放送で、20年もの長い間放送され、子供たちに親しまれてきた「できるかな」という番組があったことは、よくご存じだろう。 世代的には、今は30代の、自分の息子、娘たちが親しんできたと思う。 子供を膝に抱きながら、いつも一緒に観ていた記憶がある。 あの番組に出演していた「ノッポさん」は、実に愛すべきキャラクターだった。 演じたのは、高見のっぽ(高見 映)。 父親がチャップリ…

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トキワ荘雑感

『トキワ荘の青春』という映画を観た。 もう十何年も前の作品が、それよりさらに四十数年前の青春群像を淡々と描いている。 トキワ荘とは、昭和30年代初頭、手塚治虫を初めとする漫画会の巨匠たちが、その青春時代を過ごした、いわば「漫画の聖地」と言われるべき伝説のアパートだ。 自分が少年時代に愛読した、石森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫といった面々が同時期にこのアパートに住んで、漫画を描い…

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遠い接近

昨日の夕方から松本清張の「遠い接近」という小説を読み始め、夜半に読了。 久しぶりにこのひとの小説を読んだが、文章のうまさ、プロットや構成の巧みさに、改めて舌を巻く思いがした。 推理小説には「倒叙」というジャンルがある。 物語の冒頭の時点で、いきなり犯人が登場し、殺人行為や、証拠隠滅などの工作を行う描写があり、そのあと、その犯罪がどう暴かれ、決着するか、そこに読者の興味が移っていく…

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斜陽に立つ

歴史作家、古川薫氏の「斜陽に立つ」という作品を再読。 自分と同じ山口県下関市出身で、現在もその故郷に住んでおられる著者の作品は、 幕末の長州藩や戦国期の毛利家など、郷土を舞台にした歴史小説が多く、この作品も、 下関(長府)出身の陸軍大将、乃木希典の生涯を描いたものだ。 乃木が主人公の小説といえば、司馬遼太郎の「殉死」が有名である。 若い頃に読んだこの中編と、大長編である「…

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